【私的詩的意訳】Champagne Supernova/Oasis
ここ最近『Champagne Supernova/Oasis』ばかり聴いていて、どうしようもないので書く(衝動的)。
『Champagne Supernova/Oasis』は、口ずさんで、ギターで弾いて歌って、初めて心の奥の方にへばり付く様な楽曲だ。
さざ波に流さられるようなメロディーと、陽が沈んでいくのか、夜が明けていくのか、とにかく景色が徐々に移ろい変わりゆく様なバンドアレンジと、
“But you and I, we live and die. The world's still spinning around. we don't know why. why-why-why-why.(Champagne Supernova/Oasis)”
と問いかけを嘆く様に、しかし、静かに、夏の終わりを告げるように死んでいく蝉の様に、リアムの嗄れ声で歌われるリリック。
たった一曲について、しかもOasisについて、しかもChampagne Supernovaについて書くのはどうかとも思うけれど。。。詞を中心に紐解いていきたい。僕なりの意訳を、載せてみる。
(What's The Story) Morning Glory?
- アーティスト:Oasis
- 発売日: 1995/10/05
- メディア: CD
まず、“Champagne Supernova/Oasis”はさざ波の音と共にクリーントーンに近いギターのニュートラルな音が漂いながらはじまる。
海辺の見える砂浜に座って、夕陽を見ているようだ。
そして、アコースティックギター、エレキギターが一本ずつ増え、
“How many special people change?How many lives are living strange? (特別な存在になれる人間はどれぐらいだ?変わった生き方をしているヤツはどれぐらいだ?)”
と歌われる。
自分の人生と、誰かの人生を重ねて見ているようだ。ぼんやりと、歌っている。現実感はきっとないんだ。
それは、別の誰かに、挑発するように問いかけているのかもしれないし、自分を鼓舞するための問いかもしれない。
そしてゆっくりとサビへと移る。
“Someday you will find me Caught beneath the landslide(君はきっと僕のことを見つけんだろう、すべてが崩れ落ちてしまったとき、捉えるんだ)”
“In a Champagne Supernova(シャンペン・スーパーノヴァの中で)”
シャンペンスーパーノヴァという、単語の意味そのものは分からないけど、とにかく“すごいもの”の中で、君が僕を見つけてくれるんだろう、ということ。
その時の僕の状態は分からないけれど、少なくとも“見つけられるのを待っている”存在だ。
その後、ドラムによって楽曲により生命が吹き込まれ、ほんの少し楽曲は力を増す。
“Wake up the dawn and ask her why A dreamer dreams, she never dies(夜明けが来たら彼女に聞いてみるんだ、なぜ夢想家は彼女が永遠であることを夢見ているのか)”
これは“夢を見る事は当然のことだ。だから、安心したらいい”ということを歌っているようにも思える。
その後に続く、
“Wipe that tear away now from your eye(君の瞳から涙を拭いたらいいさ)”
というフレーズも含めて。
そしてバンドは解放され、感情が掻き鳴らされる様にギターは歪み、僕らはシャンペンスーパーノヴァへと引き込まれていく。
“In a champagne supernova in the sky(空の中にある、シャンペンスーパーノヴァで)”
楽曲は目まぐるしくBメロへと展開していく。僕がこの曲で最も好きな個所である。
“Cos people believe that they're gonna get away for the summer(なぜなら、人々は信じているから。この夏から抜け出せるんだって)”
最初にさざ波の音が混じっていた辺り、この楽曲に描かれる季節は、夏なのかな、と思う。けれど、それは“永遠”ではない事を知っていて、その“永遠”から僕らは抜け出そうとする。そして、後半へ続いていく。
“But you and I, We live and die, the world's still spinning around We don't know why......Why-why-why-why-i-i
(そして君と僕はやがて、産まれては死んでいく、けれど世界は相も変わらず回り続けるんだ。なあ、どうしてだ?どうして、どうして、どうして)”
僕らは死んでいくのに、それはまるでスーパーノヴァのひとつに過ぎなかったの様に、世界は知らんふりをして回っていく。
その真実が信じられないんだ、そんな風に歌っているような声だ。
▼僕らが夢見る生き方と、永遠は続かないという儚さ
僕らが夢見ているのは、いったいなんなんだ。“special people(特別な人間)”なのか“living strange(変わった生き方)”なのか。
でも、例えどんなふうに変わっていったとしても、それは一過の超新星のように、輝きを記憶に焼き付けて、忘れされられていく。
そういう人の生涯の切なさとか、悔しさとか、汗臭さみたいなものが、この楽曲は物凄く滲み出ていて。最後まで僕は海辺を眺めているのだけれど、夕陽は夕陽のままなのだけれど、ちょっとだけ心のモヤモヤが取れたような気がして。
でも、もう一度問いかけたくて、プレイボタンを押す。
“the world's still spinning around we don't know why,why,why,why(なあ、世界は回り続けるんだ、今も明日も、なあ、どうしてだ?教えてくれ、なあ、どうしてだ?)”