今日もご無事で。

今日も無事なら明日も無事でいて。そんなくだらない話。

音楽

半径数メートルの描写を歌にする、手に届く物語 / Album:miss you(Mr.Children)全曲レビュー・感想

6畳間で鳴らすMr.Children 2007年に発売された『HOME』を特集した別冊カドカワSpecial Issue Mr.Childrenの中でスガシカオはこんなコメントを寄せていた。 彼への要望ですか? やっぱり無茶なことはしないようにってことかな。うちに来て、シャンパン1本空け…

死に至る病を抱えて、北へ向かう。

(まえがきのまえがき) 「次にブログを書くときには間を空けないようにしたいな〜」 「せめて月イチぐらいがペースとしては保っておきたいところ」 「やはり心の変容を書き留めておかねばね!」 なんて思っていたのも束の間、時はあっという間に経ち前回から…

“Mr.Children”という生き物の状態を音楽にする / Album:SOUNDTRACKS(Mr.Children)全曲レビュー・感想

Mr.Childrenのフロントマン桜井和寿は、絶妙な論理と感覚のバランスで「いまMr.Childrenが世間から求められている音楽はなにか」「Mr.Childrenが表現したいことはなにか」を音楽として表現し常にヒットを打ち続けてきた。前々作『Reflection』では、あらゆる…

ニューニュートラルな時代の幕開け - turn over?/Mr.Children[感想]

「東京の新型コロナウイルス感染者数が2日連続で100人を下回る」 そんな毒にも薬にもならないニュースの見出しが速報としてテレビのテロップで流れる。昨日と違う今日を追い求めてマスコミは日本中の観光地を駆け回り密集した観光地の様子を伝える。その状況…

常夜燈と羅針鳥 / PEOPLE1とKitriと[永遠はきらい]

「あとで読み返してから公開するか〜」と思って一晩寝かせるといつの間にか数週間経ってしまっていることがある。2~3週間ぐらい前に書いたものです。相変わらず東京は暑いけれど。 --- 東京では35℃以上の気温が続く影響で、毎日昼頃になると「猛暑に注意して…

くだらないことを書く@超雑記シリーズ2020/07/20

よくあるお昼の散歩番組で、ゲーム性のあるしいたけ狩りをしていた。3人で競い合っていて、ルールは簡単。「200gぴったりになるようにしいたけを採ってください」というものだった。袋に詰めたしいたけは、一度採ったらもとには戻せない。3人はそれぞれ200g…

美しい滅びかた、その“黒木渚”について。

どうしようもない気持ちの時に書いた2週間ぐらい前の文章が確か下書きのまま残っていたはずだよなあ、と思いながらブログを開いたらすっかり消えてしまっていて、いま、その当時とおそらく同じようなどうしようもない気持ちでブログを書いている。 あの時、…

グラデーションと断絶

滅多に映画を観ない私は今、『スパイダーマン』を観ようかどうかを迷っている。しかし、スマートフォンのGoogleレコメンド機能ではスパイダーマン関連の記事をひとつも表示しないし、Twitterのタイムラインには誰一人としてスパイダーマンを語っている人がい…

Album:重力と呼吸(Mr.Children)レビュー

と、ある日顳顬の奥から声がして「それで満足ですか?」って尋ねてきた(皮膚呼吸/Mr.Children) 2018年10月3日発売された前作『REFLECTION』から約3年ぶりのMr.Childrenのニューアルバム『重力と呼吸』のラストを飾るナンバー『皮膚呼吸』は、ある日突然自分…

Album:822/森山直太朗[感想]

いつの頃からか、季節のはじまりをあまり意識しなくなった。気づいたら夏で、もう終わろうとしている。風鈴の音も、蝉の鳴き声も、あまり多く聞いた記憶がない。海には行ったけど、プールには行っていない。それでも確かに日々は続いていて、「平成最後の夏…

赤い公園は天才同士の一瞬のきらめきだった。そして新体制、赤い公園のこれから。佐藤千明の脱退と、石野理子の加入。

津野米咲のソングライティング能力と、バンドとしての着実なステップアップ 2012年にミニアルバム『透明なのか黒なのか』でメジャーデビューを果たした赤い公園。 ボーカルに佐藤千明、ベースに藤本ひかり、ドラムに歌川菜穂、そして彼女たち3人のひとつうえ…

ヒカリノアトリエ/Mr.Children[感想・レビュー]

ヒカリノアトリエアーティスト: Mr.Children出版社/メーカー: トイズファクトリー発売日: 2017/01/11メディア: CDこの商品を含むブログ (4件) を見る 集大成じゃない“今”を照らし出すヒカリノアトリエ どんな風に毎日を過ごしていても、生きている限り傷つく…

Album:Fantôme(宇多田ヒカル)[感想・レビュー]

Fantômeアーティスト: 宇多田ヒカル出版社/メーカー: Universal Music =music=発売日: 2016/09/28メディア: CDこの商品を含むブログ (56件) を見る この時代に生まれてよかったと思う瞬間がある。それは音楽にしたって勿論そうで、その時々の自分のコンディ…

Album:醒めない(スピッツ)[感想・レビュー]

醒めない(初回限定盤)(DVD付)アーティスト: スピッツ出版社/メーカー: Universal Music =music=発売日: 2016/07/27メディア: CDこの商品を含むブログ (8件) を見る まだまだ 醒めない アタマん中で ロック大陸の物語が最初 ガーンとなった あのメモリーに今…

「泡沫サタデーナイト/モーニング娘。'16」とか、「サイレントマジョリティー/欅坂46」とか。感想。

夕飯は駅前のバーミヤンにした。気持ちの整理がつかないことばかりで、それならばいっそ雑多な環境に身を置いて忘れたかった。レジが壊れて慌てている店員は、それでも丁寧な言葉使いで席を案内してくれた。案内された隣の席では、若い主婦がそれぞれ子供を…

「KOIKI/赤い公園」がとにかくすごいこと今更気付いた(感想文)

KOIKI(初回限定盤)(DVD付)アーティスト: 赤い公園,津野米咲,久保田利伸,蔦谷好位置出版社/メーカー: ユニバーサル ミュージック発売日: 2015/11/25メディア: CDこの商品を含むブログ (2件) を見る「赤い公園がすごいって今更かよ〜」と思う人がいるかもしれ…

バンドとしてのあらゆる時代を余すことなく鳴らした傑作 / Album:REFLECTION(Mr.Children)全曲レビュー

未来へ続く扉“REFLECTION” いつも、Mr.Childrenの新しい曲を聴くときは、胸が高鳴る。そして、その高鳴った胸を鎮める様に、スピーカーの向こう側から溢れてくる鮮やかな音色はスーッと心を浄化していく。昨日までのアレもコレも、ついさっきまでのモヤモヤ…

通過点としての新天地開拓 / Album:DISCOVERY(Mr.Children)全曲レビュー

もうすぐ最新アルバム「REFLECTION」が発売されるというのに、「DISCOVERY」について書いてしまいました。しかもこれ、前半は2年ぐらい前に書きずっと温めてたものですね(言い方をすると)。 NEW ALBUMMr.Children | New Album REFLECTION | TOY'S FACTORYは…

Album:non no/TRIPLANE[レビュー・感想]

TRIPLANE3年ぶりとなる通算6枚目のフルアルバム。 錚々たる面々がTRIPLANE - ホーム | Facebookにてコメントを寄せている以上、私もコメントを寄せなくてはと筆を走らせている次第です。 ……というわけでもなく、単純にTRIPLANEが大好きで感想を書かずにはい…

REFLECTION/Mr.Children:感想&レビュー

足音は常に鳴らされ続けている Mr.Childrenは進化を止めない。「深海」で社会からの光すら当たらない闇の奥深くに潜り込み、「HOME」で手の届くすぐそばの世界を鮮やかに彩り、最新作「 [(an imitation) blood orange]」では理屈抜きのHAPPYを綴った。その足…

Album:RAY/BUMP OF CHICKEN[レビュー・感想]

▼懐古から未来へ BUMP OF CHICKENにとっての3年ぶりとなる通算7枚目のアルバム「RAY」 “宇宙”と関連つけた作品を多く出してきた彼らだがアルバム「orbital period」あたりから、その色は濃くなってきていて、今作「RAY」も例外ではなく“光線”といった僕らに…

Album:Design/TRIPLANE[レビュー・感想]

アルバム前作「V」では“進化したポップス”“バンドTRIPLANEの快進撃”と勝手に銘打ったのだけれど、 今作「Design」は“バンドとしての軸を越えたミュージック”と言えばいいだろうか。とにかく、いままでの彼らにとってこれは進化でも退化でも現状維持でもなく…

Album:新世界/ゆず[レビュー・感想][後篇]

後篇、いきなり「う〜ん」って所から入ります。前篇はこちら Album:新世界/ゆず[レビュー・感想][前篇] - 今日もご無事で。 新世界(初回限定盤)アーティスト: ゆず出版社/メーカー: トイズファクトリー発売日: 2014/02/19メディア: CDこの商品を含むブログ (…

Album:新世界/ゆず[レビュー・感想][前篇]

後篇はこちら Album:新世界/ゆず[レビュー・感想][後篇] - 今日もご無事で。 ▼「新世界」のはじまり 今回でゆずにとっての12枚目の新作となるアルバム「新世界」 ファンからすると、今回のアルバムは非常に期待値の高いアルバムであったと思う。 それはシン…

パノラマの街/小田和正・桜井和寿(Mr.Children)

大雪が続く東京、とか。 このまま時間だけが過ぎて/このまま自分を超えられずに/ 自信やアイデアや情熱は/痩せ細っていくのだろう(パノラマの街/小田和正・桜井和寿) 昨年末のTBSにて放送された小田和正「クリスマスの約束2013」 そして、そこにゲストとして…

Best Album:ニコ タッチズ ザ ウォールズ ノ ベスト/NICO Touches the Walls[レビュー・感想]

これまで5枚のアルバムを発売してきたNICO Touches the Walls 3枚目のシングル「Broken Youth」でMステデビューし、順調なスタートを切り開き、 大衆バンドを目指して、ポップスとロックの狭間を彷徨いながら実験的なことも多くしてきた彼らがようやくベスト…

Album:COSMONAUT/BUMP OF CHICKEN[レビュー・感想]

▼「COSMONAUT」から「beautiful glider」 もうすぐニューアルバムの「RAY(虹を待つ人、友達の唄、ゼロ、ほか収録)」が発売予定のBUMP OF CHICKEN ベスト盤が発売されたこともあって、新規のファンも増えたんじゃないだろうか。 バンプと言えば「天体観測」だ…

×と○と罪と/RADWIMPS[感想・レビュー]

もっと早く記事にしたかった。 できれば発売日当日に記事にしたかった。 でも、あれから何度も何度も聴き直すことで、このアルバムの良さが分かってきた。それぐらいに僕は、この「×と○と罪と」を何度も聴いているし、素晴らしいアルバムだと思う。 僕はRADW…

Album:小さな生き物(スピッツ)×レビュー/感想

スピッツにとって14番目のアルバム。 そういえば、スピッツってユーミンの14番目の月、カバーしてたよね(いきなり脱線)。 そしてアルバム「三日月ロック」から続く亀田プロデュースは健在(僕はあまり好きではない)。スピッツにしては、珍しくデラックスエデ…

新しい青の時代/山田稔明[感想・レビュー]

「新しい青の時代」そう名付けられたアルバムのジャケットには、イラストレーター福田利之氏による山田稔明氏と愛猫ポチをイメージした青を基調とした絵が描かれている。 そのジャケットから僕が感じた第一印象は、強い意志だった。 なにか強い意志を持って…