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高校入試~11話—感想[ネタバレ]

まあ、ネットに転がっているまとめをまとめても仕方がないので。

▼このドラマのテーマを考える
いよいよ答え合わせに入った高校入試。

坂本先生の携帯を掲示板の上に置いた人間、お昼ごろまで掲示板へ書き込みをしていた主な人間は石川衣里奈。
また、入試問題の一部が何者かによって石川へメールが送られていた。リーダー格と思われる人間がいると思われる。
11話までで察するに石川衣里奈の目的は「相田先生が滝本先生とインディゴリゾートに行くことを阻止すること」

また石川班と同じかどうかは不明だけれど、入試を荒らしている人間は他にもいて、その一部は田辺淳一であると考えられる(一高よりも偏差値の高い高校に受かっている)。
田辺は、沢村翔太(弟)に「面白いうわさ」と前置きして掲示板の存在を教えている。
その後、沢村(兄)が掲示板を見つけ沢村(弟)に教えるが、田辺が沢村(弟)に掲示板の存在を教えた意図とは?

正直、沢村(弟)は「入試を荒らす班」ではないと思うので、考えられるのは掲示板の存在を教え自分の立場を自覚させる(卑怯な人間であるということ)為かな?とも考えるけれど、11話の時点では、そこまで大きな制裁が沢村(弟)に与えられているとも思わない。

ちなみに田辺淳一の兄、田辺(弟)は一高に落ちていて、その原因が“採点ミス”であると考えられる。
この“採点ミス”に関わっているのが教師の誰かにある、もしくは、沢村(弟)のような不正入試を行っている人間か、いずれにせよ、この“採点ミス”に関わった人間を罰する(復讐する)ことが田辺淳一の目的のようだ。

そして、今更であり当たり前かもしれないけれど、このドラマの大筋のテーマは、この田辺淳一を取り巻く“高校入試の裏”に関することではないかと思われる。
「誰が合格者で誰か不合格者か分からない(大きく言えば、誰が勝者で、誰が敗者か)」「人の能力は、能力のある人間でないと測れない(馬鹿には価値が分からない)」のようなニュアンス。

▼取り巻くいくつもの思惑
ちなみに昇任試験を控えている人間が何人かいる。
その人物は、水野先生、坂本先生、松島先生。

このうちの誰かが誰かを蹴落とすために、「入試をぶっつぶす」のイザコザに紛れてなにか手を貸している可能性もある。
そういう場合、水野先生と松島先生が怪しい。
この二人は、ドラマの中でも鼻が利くので犯人の意図をわかって協力した可能性がある。

松島先生の息子が沢村(弟)のカンニングを告発したこともなにか。。。

校長、教頭も所々怪しくて、情報処理を担当している荻野先生もなんらかの操作が行える位置にいる。
この三人は比較的自由に動ける。

それと、掲示板にあった「犯人はM先生」という書き込み。
この書き込みは、田辺(弟)とかではないと思うんだけど、誰なんだろうなー。
なんとなく犯人捜しを撹乱させる為のものではないかと思うけれど・・・。

▼村井先生のこと、そして周りの人間への憎しみ
村井先生は11話で、とても心の内に闇(と言っていいのか?)を抱えている人間であることが分かった。
個人的に村井先生は、「入試をぶっつぶす班」ではなくドキュメンタリー映画を撮ることで多くの人に入試の裏を訴えたりしようとした田辺(兄)と同じように心の内側に大きな正義感を抱えていて、正攻法で組織を正していこうとしている側だと思う。
なので、「入試をぶっつぶす班」にはいないのではないかと思うんだけどなー。(正義感が強い為に、人を蹴落とすことで組織を修正するのは間違っている、と思っていたりしそうな)

村井先生もまた、田辺(兄)と同じく、周りの人間の“ミス”によって人生を狂わされた(一高に合格できなかった)人間。

自分の思っていること、自分の抱いている志、希望だけでは道が開けない。言い換えれば、他人によって道が閉ざされてしまう不条理な論理が、社会にはあるということを訴えたいのか。
そうやって犠牲になった未来を胸に抱えながら、村井先生のようにできるかぎり夢に近い方向へ努力する人間もいれば、巨大すぎる正義感が空回りした結果?、心を閉ざして動けなくなってしまう田辺(兄)のような人生もある。

大人たちは、大人たちではなくとも、自分の仕事が、行動が、誰かの人生の方向性を大きく変えてしまう危険性を孕んでいる、ということを責任を持って考えるべき、ということなのかな。

そこに春山先生の彼氏?も関係していたのだろう。
いまはどうしているか分からないけれど田辺(兄)のように廃人化している可能性がある(亡くなった、とまで予想されているけれど・・・)。
それが責任感からなのか、別のなんかなのか。。。

▼で、結局なにがしたいの?
55番の解答用紙をふたつ作って犯人はなにがしたいのか。
少なくとも、不正入試をしようとしている人間、沢村(弟)を巻き込んで、また解答用紙がない田辺(弟)の結末を窺いつつ、高校側の入試に対する意識の低さをつつきたいのかな、とも思うのだけれど。
じゃあ、その低さが露呈された場合、高校はどうなるのか?と言っても体質はそう簡単に変わらない気がする。

そう考えるとやっぱり、「誰かを現在の地位から底辺に引きずりおろす」ということが復讐と考えるならベストな制裁かな、と思うのだけれど。
犯人(仮に田辺(弟)、春山先生だとすれば)が個人的に制裁を与えたい人物とは誰だろうか?

途中の話でも「犯人が困らせたい人物はだれか?=現在、困っている人は誰か?」という視点から犯人のターゲットが推理されようとしたけれど、いまいちあやふやなまま終わってしまった。
いまのところ、明日からの地位に怯えている人間はいないように思える。

田辺(弟)が「もう終わった(計画は失敗してしまった)」と言ったのは、この標的を陥れることができなかった、ということに関係しているのだろうか?

▼あと、なんとなく
荻野先生と春山先生つながってる?(12話の予告で荻野先生が春山先生の肩に手を置いて、その後の春山先生の反応、とか、荻野先生の素振りがなんとなく合図にも見えた)

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最終回

高校入試最終回の感想[ネタバレなし]×青い春/back number - 今日もご無事で。

前回までのまとめ

高校入試(4~6話)―まとめ&感想[ネタバレ] - 今日もご無事で。
高校入試(1~3話)―まとめ&感想[ネタバレ] - 今日もご無事で。

[告白/湊かなえ]の感想(主に第二章)
告白(第二章:殉教者)/湊かなえ - 今日もご無事で。