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Best Album:Mr.Children 2001-2005 〈micro〉

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Best Album:Mr.Children 2005-2010 〈macro〉 - 今日もご無事で。

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ベスト盤Mr.Children 2005-2010 〈macro〉の楽曲解説まとめ。

Mr.Children 2001-2005 〈micro〉(初回限定盤)(DVD付)

Mr.Children 2001-2005 〈micro〉(初回限定盤)(DVD付)

M-1. 優しい歌
泥臭いアコーディオンの前奏からはじまる一曲。前回のPOPSAURUSツアーを花と共に象徴する一曲と言ってもいいだろう。今回のPOPSAURUS2012ツアーのオープニングを飾るであろう候補にも挙げられていた。Aメロにはいるとクランチサウンドのギターが片側から流れてきて、やがてベース、そしてドラムが盛り上げる。“優しい歌”とタイトルがついているものの、バンドサウンド前回の、そして“新生ミスチル”、生まれ変わったMr.Childrenを予感される、そして象徴することとなった代表シングルであると思う。

誰かの為に/小さな火をくべるよな/愛する喜びに/満ちあふれた歌(優しい歌/Mr.Children)

M-2.youthful day
軽快なギターリフから始まり、ドラム、ベースも負けずと疾走感を併せて走り出す。ライブアレンジのベースから始まるものも好き。間奏のラジオボイスと歌詞がセクシーさを増している。この頃のMr.Childrenはセクシーだった、なんて言われることもある。サウンド的には、とにかく爽快で羽が生えたような気持ちになれる楽曲。サビに入った時のアコギのシャキシャキ感がたまらない。

M-3.君が好き
とてもシンプルなタイトル。そして歌詞の内容も“君が好き/僕が生きる上でこれ以上の意味はなくたっていい”と歌っていることからわかるように、とてもシンプルである。ピアノ、ギター、ベース、ドラム、どの楽器もさりげなく、しかしとても美味しいフレーズが鏤められていて、ひとつひとつの音に注目して聴いてもとても魅力たっぷりな楽曲。この曲は、PVがとても凝って作られているのでそこから話題になることもある。

04.蘇生
ライブお馴染みの楽曲。桜井氏お気に入りなのだろうか。アルバム“It’s a wonderful world”に収録されており、同アルバムでは“overture”というインスト楽曲とつながっている。本ベストアルバムでは、その“overture”からつながるシンセの音はカットされている。歌詞の内容は、とても深く描かれていて、年を重ねるごとに見方が変わったりするんじゃないだろうか。特に9.11でのアメリカの価値観崩壊後との関わりも大きいのではないだろうか。個人的にはCメロの“叶いもしない夢を見るのはもう/やめにすることにしたんだから/今度はこの冴えない現実を/夢みたいに塗り替えればいいさ”というフレーズが印象的。これは決して諦めの意ではないと思っている。例えば崩壊してしまったものは、崩壊前の時間に戻ることはできない、そういう“叶いもしない夢”に対して僕らが出来るのは、その崩壊前よりも素晴らしい物、“夢みたいに塗り替える事”ではないかということ。

叶いもしない夢を見るのはもう/止めにする事にしたんだから/今度はこのさえない現実を/夢みたいに塗り替えれば良いさ/そう思ってんだ/変えていくんだ/きっと出来るんだ(蘇生/Mr.Children)

M-5.Drawing
これもラスサビ前の間奏が印象的な楽曲。2番目まではリズムマシンを用いて演奏されている。生のドラムのドラムロールによってパーッっと景色が広がっていく感じ、そして僕には小さい花火が真っ直ぐに夜空に打ち上げられて居kうようにも感じる。Mr.Childrenからしたら、ちょっとした実験曲でもあったんじゃないかな?と捉えたくなるぐらい素晴らしく前衛的な完成度。

この素晴らしい/煩わしい気持ちを/真空パックしておけないもんかなぁ(Drawing/Mr.Children)

M-6.いつでも微笑みを
名曲。個人的にMr.Childrenベスト5あげろと言われればこの楽曲を上げる。イントロに“子供の泣き声をイメージした加工音”が入っているのが素晴らしい。この楽曲は蓄音機から流れ出しているイメージらしい。僕らが生きていくうえで、大事にしなくてはならないこと、覚えておかなくてはならないこと、覚悟しなくてはならないこと、それらを集約し、歌にした“いつでも微笑みを”

M-7.Any
これも名曲。個人的にMr.Childrenベスト5あげろと言われればこの楽曲も必ず入る。イントロのピアノも素晴らしい。サビのメロディーは子供がピアノをトン、と適当に叩いたところから生まれたとか。ミスチルの楽曲では突然音が高くなる(未来とか)のは不思議じゃないのでそんな風なエピソードがあったとは。誰が聴いても、“こんなにも的確に自分のことを歌っている!”と思わず感動してしまうんじゃないだろうか。世の中をどんなに揶揄しても、どんなに自分がふてくされても、現実から背を向けても、悦に浸って口先だけの弁をかましても、僕自身が塗り替えなきゃ未来は変わらない。そして、なにより今いる場所を信じなくちゃ、12色の心では描けない。きっと答えはひとつじゃない。

今/僕のいる場所が/探してたのと違っても/間違いじゃない/きっと答えは一つじゃない(Any/Mr.Children)

M-8.HERO
桜井氏お気に入りの楽曲。2番の比喩が素晴らしい。人生をフルコースに例えたものなのだけれど、このサビに人生の儚さとか、苦さとか、甘さとか、そういうものがすべて集約されていて、じゃあ人が死を迎えるときに望んでいるものは?これはピアノやストリングスと見事に調和したバンドサウンドの楽曲、と言える。ラスサビになったときに、ファルセットで歌っていたサビが高らかに地声で歌われる所などはとても胸に響く。“いまさらもう秘密はない”という部分に、誠意や覚悟を感じて、受け取る側からしたら胸を打ってたまらないんだろうなあ、と。愛情と覚悟が目一杯に包まれた名曲。か

人生をフルコースで/深く味わうための/幾つものスパイスが/誰にも用意されていて/時には苦かったり/渋く思うこともあるだろう/そして最後のデザートを/笑って食べる君の側に/僕は居たい(HERO/Mr.Children)

M-9.タガタメ
この楽曲はとても壮大な事を歌っているようで、実は視点はずっとミクロなままだ。“ディカプリオの出世作なら/さっき僕が録画しておいたから”とまるでリビングでの会話のような視点から始まり、サビが“被害者”や“加害者”と言った過激なキーワードが出てくるも、また2番のサビでは“明日もし晴れたら/広い公園へ行こう”など、これといって世界観がでかくなったりはしない。しかし、その歌詞とは反対にアレンジはブラスが入ってきたり、感情的なギターソロが弾かれたり、とそのアレンジがメッセージ性を何十倍にも増幅させている。“誰がために鐘は鳴る”がモチーフになっているのではないか、とか釈迦の話(http://note.chiebukuro.yahoo.co.jp/detail/n43028)がモチーフになっているとか、とにかく背景にはいろいろな感情が詰まっているだろうな、と思われる楽曲。Mr.Childrenというバンドだからこそ鳴らせる音であり、歌詞であり、世界観である。こういう曲は産みだすのにエネルギーがとてもいるのだろうな、と思うけれど、また聴いてみたいとも思う。

M-10.掌
この楽曲、HANABIと同じぐらい「どうしてこんな曲が書けちゃうの?!」ってぐらいにフラストレーションと葛藤の混じった楽曲だ。歌っていることはとてもシンプルで、しかし人間として生きる上でのテーマ。本能と願望がうまく重ならないジレンマ。抱いたはずが突き飛ばして、包むはずが切り刻んで。僕らは一方を求めるとき、もう一方を捨てなくちゃいけない、しかし、そうできない。認められない。コントロールできない。しかし、受け止めることができなくても、認めることだけでもできたら。歪んだギターのリフとループするドラム、Cメロからラスサビへの転調へ向けた展開、タガタメほど壮大なアレンジではないものの、もがき苦しみ、僕ら個人が戦うべき僕らの中の苦悩。

キスしながら唾を吐いて/舐めるつもりが噛みついて/着せたつもりが引き裂いて/また愛求める(掌/Mr.Children)

M-11.くるみ
PVが話題になった楽曲。未来に語りかける楽曲、と言われているけれど、未来に語りかけていても語りかけていなくても、楽曲の中身に影響はないだろうな、と思う。歌われていることは、僕らが今を生きる上での切なさとか寂しさとか、それでも前に進まなきゃな、っていう言うなれば終わりなき旅のバラードバージョンと捉えてもいいかも。“誰と話しても/誰かと過ごしても/寂しさを募るけど(終わりなき旅)”と“ねぇくるみ/誰かの優しさも/皮肉に聞こえてしまうんだ/そんな時はどうしたらいい?(くるみ)”など、似ている点は多い。“さよなら”という言葉が出てこない点など、とても好き。サビのメロディーが不器用ながらも階段を上がっていくイメージがあって、僕は好き。

M-12.Sign
フジテレビ連続ドラマ「オレンジデイズ」の主題歌。
Mr.Childrenの代表曲のひとつ、と言ってもいいのではないだろうか。
この辺りまでは、前アルバムが出た次に出るシングルが、前アルバムで言いたかったことの総括、と言われてまさにsignは「シフクノオト」の総括であると思う。
物事の小さなサインを見落とさないように、そして相手に干渉しすぎないように、譲り合いながら生きていく、優しくて温かな楽曲。
特にイントロからAメロへの繋ぎ、Aメロのアコギと歌詞が素晴らしい。

M-13.and I love you
もう、これ以上の名曲はないんじゃないか?というぐらいの名曲。兎にも角にも本作は名曲が多い。困った。
日清カップヌードルのCMソングとしてテレビで楽曲が流れていた。アコースティックギターを掻き鳴らしながら「傷つけあう為じゃなく/僕らは出会ったって言いきれるかなあ?」と反戦の映像と共に流された終いには心を動かされずにいられない。人と人が出会う、ということはどういうことなのか、僕らはどんな敬意を、愛情を君に示していけばいいのか。

アレンジも最高である。二番のサビから大サビへとつながっていく。いまのMr.Childrenであったらsplit the differenceで披露した横断歩道を渡る人たちや風と星とメビウスの輪のように大団円につながり壮大なアレンジをするんだろうな、と思いつつ、この状態のMr.Childrenでこの状態のand I love youを制作したことに意味があるし、ベストだし、最高であったと僕は思っている。

ちなみに、これもガセネタであるけれど、最後のand I love youと様々に声色を変えて歌っているのは「様々な人種のI love you」を表現しているのだとか。

傷つけ合う為じゃなく/僕らは出会ったって言い切れるかなぁ?/今分かる答えはひとつ/ただひとつ(and I love you/Mr.Children)

M-14. 未来
四次元~four dimentions~に収録されている楽曲。名曲である。ポカリスウェットのCMソングとして作られ意図してかせずかサビの部分が15秒にうまくあい、CMとしての完成度も高かった。
歌詞の内容もセンセーショナルで若い人間の共感を強く呼んだんじゃないかと思っている。一向に前に進んでいないのだけれど、それでも新しい何かを待ち望んでいる主人公の楽曲。

M-15. ランニングハイ
「Q.甲、乙ってどっから出てきたの?」という問いに「A.うーん、なんかそういう書類を書いてたんでしょうねえ(笑」と意味深に答えていた楽曲(に関係ない)。
Mr.Childrenのツアーでのライブアレンジよりもspace shower(2005)の野外ライブでのアレンジが一番好き。
“時代とか社会とか/無理にでも敵に仕立てないと/味方を探せない/愉快に暮らせないの?”というフレーズは痛快。
いままでの社会風刺のMr.Childrenじゃなく、世界や生き方、価値観、それらを攻撃的に、しかし守備もしつつ、そしてベストな表現で訴える。
こういう歌詞はMr.Childrenにしか書けないと思う。
ふてくされているだけじゃなくて、問いにたいしての、答えがある。

仕組んだのは他の誰でもない/俺だって自首したって/誰も聞いてない/まして罪が軽くなんかならねぇ(ランニングハイ/Mr.Children)

そして、前に進もう。背中を押してくれる。
力強く。

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