東京ガスCM「チャーハン編」と「お弁当メール編」と、まとまりのない話。
飼っていたウサギが亡くなって。
最後まで、言葉を話さなかったなと(当然だけど)。
やはり思うしかない、というのはとても歯がゆい。
近いようで遠い存在でした。
いままでありがとう。
お気に入りのCMを2本紹介。
どちらも東京ガスシリーズでとても有名なものなのだけれど。
前回ご紹介した東芝LED電球「LED10年カレンダー」CM - 今日もご無事で。もそうなんだけど、この2本も“人生”を感じさせる作品。
■東京ガス 家族の絆 お父さんのチャーハン編
小さい頃の思い出がふっと蘇る一作。
クレヨンしんちゃんの「オトナ帝国」とか、人間が振り返った時に思い出すのは、本当に何気ないワンシーンで。
家族そろって自転車でどっか出かけた日のこととか、学校のない日に公園に遊びにいって蜂が怖かったこととか、曇り空がやけに真っ黒に見えて恐る恐る登校した記憶とか。
別になんてことないんだけど、その「なにげなさ」「さりげなさ」がグッと胸にいつの間にか沁み込んでいる。
このCMも素晴らしいとこはそこで。
お父さんも娘も別に「記憶に残そう」と思って作って食べてるわけじゃないのよね。
多分「お母さんが料理を作れない」という特別なスパイスも、振り返ったらそうだっただけで、その時は「なんとなく」だった。
少なくとも僕は、母親や父親が風邪をひいて料理作れなかった日のことなんてそんな思い出せないし。
ただ、なんとなく「あれ?」みたいな、どっか引っ掛かりがあって、娘なりに、彼女なりに、なぜか心に沁みていて。
父親の手紙でもなく、思い出話でもなく、あの日の旅行先に一緒に行くでもなく、チャーハンなんです。
この「なんでもないこと」に僕ら思いを馳せちゃって、泣けてきちゃう。
それは「もう戻れないこと」を必死で味わっているから、であり。
「さよなら」「ありがとう」がいつも以上に意味のあるものであるから、であり。
節目だからですね。
■東京ガス 家族の絆 お弁当メール篇
僕はこっちのがお気に入り、と言えばお気に入り。
チャーハン編のほうは、発想は素晴らしいと思うけれど、構成は“普遍的な共感”で攻めていて、そこは技術さんとか、そういう部分の成果だと思っていて。
このお弁当メール編は、発想はもとより、構成や流れ、物語がとても優れていると思う。
これ、共感して感動するわけじゃないよね、たぶん。
“知らなかった思い”“気付けなかった思い”に感動しているんだと思う。
観ている方も、母親も、息子も。
僕の飼っていたウサギは最後まで語ることはなく。
どうして語らないんだろう?と思ったりして、適当なこと“動物の気持ち - 今日もご無事で。”書いたりもしたけれど。
お互い一方的なメッセージを発信し合っていたことは間違いない。
たぶん9割方、いやもっとそれ以上に僕とウサギは相手の気持ちに応えられていなかったと思う。
ただ、きっと、もし、応えていたとすればそれはウサギの方じゃないかな、と。
僕らは様々な方法でメッセージを発信できるけれど、ウサギは限られているから。
僕らは鈍感だから。
だから、せめて、一言、二言、最後に、なにか言ってくれなかったかなあ。
会話がしたかったなあ、と思うわけです。
んーわけのわからない更新になった。