今日もご無事で。

今日も無事なら明日も無事でいて。そんなくだらない話。

佐藤可士和の超整理術/佐藤可士和

要点を集めるのが上手い、とよく褒められる。
一方で説明が下手くそだ、と野次を飛ばされる。

佐藤可士和の超整理術」はそんな僕みたいな人にとって有意義な本である気がする。

佐藤可士和の超整理術 (日経ビジネス人文庫)

佐藤可士和の超整理術 (日経ビジネス人文庫)

インターネットの登場によって現代は情報が氾濫しきって混沌としている。
現実と非現実、リアルとバーチャルの境界線は携帯やモバイルパソコンによって、どんどんと希薄になっていく。
twitter,facebook,mixi,いつでもなにかしらバーチャルと繋がっている。

そして、知らない間にカテゴライズされていく。
同じコミュニティー、同じ趣味、同じ考え。
自分の意図しない場所で、馴れ合いが始まっている。

そんな時、冷静に、客観的に、世界を見る事が出来るかどうか。
それが本書に綴られていると思う(まあ、実際は仕事の話ばかりで、著者はそんなこと意図してないかも)。

しかし、多くの人は、自分の目の届く限りられた範囲内で現実を理解し、あまり疑問をもたず、世の中をシンプルに捉えているのではないかと思います(佐藤可士和の超整理術/佐藤可士和)

これは、どれだけ知識を詰め込んで、その知識に対してどれだけ懐疑的に行動できているか?ってことではない。
自分の属しているコミュニティーや、馴れ合いをしている世界が「自分の目の届く限られた範囲内」であることをどれだけ自覚できているか、ということだ。
と勝手に解釈した。

いかに「井の中の蛙」であることが分かっていても、その場所が乱雑としていたら把握しきれない。
そんな時、「じゃあ、整理をしよう」という試み。

本書の半分くらいは、実際の生活での整理の仕方。
机周り、仕事の書類の整理の仕方、名刺やスケジュール、アドレス管理の方法。
パソコンのフォルダの整理方法、等々。

特に「要らないものはとにかく捨てる」と言う事が僕にとってのハイライトだった。

著者は、携帯、自宅の鍵、カードケース、小銭、しか持ち歩かないという。

ここまで到達するのはちょっと難ありな気もするけれど、結局、僕らがやたらと物を持ち歩いてしまうのは「不安」を解消する為であり、「もしかしたら」との闘いなわけである。

そのためにもおすすめなのが、毎日、帰ったらカバンの中身をいったん机の上に全部あけてしまうこと。(中略)こんなふうに大事なモノを見極める習慣をつけながら、ときには思い切って、手ぶらの日を作ってみてはどうでしょう。(佐藤可士和の超整理術/佐藤可士和)

こんな風に自分の身の回りをシンプル化、構造を把握し、整理していく所からはじまる(というかこの本の大半は、それ)。

身の回りをスッキリさせることは、生活を大きく変えると僕も思うから、本を読んで「その通りにしよう」とは思わなくとも「整理しなくては」という気持ちにはさせられたし、した。

話を「井の中の蛙」に戻す。

本書の後半では「思考の整理」についてちょっとだけ語っている。

“自分の思い込みをまず捨てる”ということから始めてみてください。個人のエゴが入っていては、プロジェクト本来のビジョンから少しずつ、ずれていってしまいます。(佐藤可士和の超整理術/佐藤可士和)

また、思い込みを捨てるには、あえて極論を考えてみるというのも手です。無謀なほど極論な気持ちになってみないと、自分を捨てるのは難しいものです。ですから「そもそもこのプロジェクトは必要ないのではないか?」くらいの思いきった気持ちになれれば、ふっきれて視界が広がってくると思います。(佐藤可士和の超整理術/佐藤可士和)

だらだらと引用をしてしまったけれど、まさにそのまんま。

否定とか、肯定、とかそういうものではなくて、自身の置かれている状況、手がけている問題、課題をひっくり返した時に、なにが残るか?というのが大事なのだと思う。

自分の中で考えていたら、自分の中でしか生まれない。
かといって、自分の中が整理できていなければ、客観視もできない。

ややこしくなってしまったけれど、シンプルにまとめると「なにか問題に出会した時は、問題周辺を整理することから始めよう」ということです。