おやすみプンプン12[感想・レビュー]
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おやすみプンプン13巻/浅野いにお[感想・レビュー][ネタバレ] - 今日もご無事で。
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とりあえず。。。
書いた。
どこまで行っても、“あの日”がない。
- 作者: 浅野いにお
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2013/06/28
- メディア: コミック
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本誌では夏のはじまりと同時に、遂に最終章の幕が開かれる。
いままでの物語が、伏線だったのか、惰性だったのか、とにかく物語は鈍い音を立てながら歯車を回し始めた。
▼愛子ちゃんを選んだ
ぶっちゃけ運命なんて後付けであって、プンプンだって愛子ちゃんだってきっと信じちゃいない。
ただこの逃避行に、もう逃げられない逃避行に、縋るしかなかった。
罪の意識に縋ることで、自分たちが生きていく意味を見出すしかなかった。
しかし、その中で、愛子ちゃんを選んだのはプンプンの判断だ。
南条幸に引き返す瞬間は何度もあったのだし、はっきり言ってプンプンの生涯は愛子ちゃんになんか捧げていない。
プンプンの日常なんて、何の意味もない、ただの平凡な人生だった。
でも、愛子ちゃんを選ぶことで、意味を持ってしまった。
その瞬間からふたりは、意味を持たずにはいられないし、メッセージ性を孕まなくてはいけなくなった。
なんらかのインパクトを世間に与えることとなってしまった。
このプンプンにとって非日常的な、逃避行の終着点に比喩的になにが待っているかと言えば、もしかしたら希望なのかもしれない。
思えばプンプンにとっての願望が、こうまでして物語を進め始めたので合って、錆びついた歯車が油なしでギシギシと高い音を立てながら回りだした。
「こんなはずじゃなかった!!」と喚く彼の心の声すらも、絶望とは程遠い心情なのかもしれない。
▼プンプンの、まわり
わりと具体的な感想を述べると。
まず。
関くん、清水、南条幸、プンプンパパ、それぞれどうなってしまうのだろう、と疑問に思う。
南条幸は、プンプンのもとへなんとか辿り付くのだろう。
というよりみんななんらかの形でプンプンの居る場所へ辿り付くのだろう。
7月7日をきっかけに。
でも、その時、関くんや清水、南条幸がなんの役割を持ってそこに存在するのか。
そこがうまく想像できない。
特に関くんや清水なんかが今更プンプンに再会してどうなるんかな、と。
言っても最終章だって10話ほどでしょ?
そこにペガサスについての説明も加わって……ページ数足りるのかとかそんな余計な心配までする始末。
南条幸と関くんの幼少期の関わりもわかったけれど、
それは、大人になったふたりにも通ずるキーワードなのだろうか?
しかし、瀕死状態の関くんが思いだしたものがわざわざソレということは、なにかそれ以上のつながりが?
そして清水はどうなってしまったのか。
集団自殺、もしくは数学教師による殺害が行われようとしているその意図は。
“小さな火種によってなにかを誘きだす”といったようなメッセージがレコーダーには残されていたけれど。。。
それと、プンプンママが生きている頃に出会った高校生のハルミンはどうなのだろうか。
今更出てくるのかなー。
そんなこと言ったら、小松も、だけれど。
でも、そうしないとあの頃のメンバーは揃わないことにもなる。
▼ほんとうは殺したくなんかない、きっと殺されたい
プンプンは、鹿児島ですべてを終わらせたかった。
夢は夢のままで終わらせたかった。
だって、それ以上の幸せが思いつきそうにないから。
けれど、田中愛子は未だに夢を見ていて、なんとかあの日の延長線上に今日を持ってきたがっている。
そして今日の延長線上に、もっと違う幸せを繋ぎとめたくて思っている。
でも、プンプンがそうはさせない。
プンプンの中には、もう今日で決着がついてしまっていて、どこまで行っても、もうあの日はない。
苛立ちと葛藤と苦悩を掻き混ぜて、やっとこさ出した答えが心中だった。
でも、そうでもしない限り、プンプンは生きていけないし、死ねない。
本当は、誰かにさっと殺して欲しいんだろうな、とさえ思ってしまった。
仮にも大事な人を、殺したくなんかないはずなんだ。
ただ、そうしないとあの日は終わらない。
けれど、終わらすことができなくて、ふたりは鹿児島で生き残ってしまった。
▼あの日
そこで、物語の展開は置いといて。
なんとなく浮かんだのが、プンプンの幸せを呼び戻すのは、あの流星群なんじゃないかと。
やっぱり。
盲目状態にあるプンプンにとって、その長い夢から覚める為のヒントは、小学生の時に見た、妙な流れ星たち。
そこからどういう展開になるかなんて想像はつかないし、最初から罪を認めようと思っているプンプンが、それ以上の良い結果なんて想像つかないんだけど。
少なくとも、淀んだ心のどこかが浄化されるような、あのいつもの顔に戻れるのではないかと(まあ、すでに戻っていると言えば戻っているけれど)。
▼おやすみプンプンという漫画
あと一巻でどうやって完結させるんだろう、と思いつつも。
このおやすみプンプンって漫画は、プンプンのモノローグこそあるものの、それぞれの登場人物の心情っていまいち分からないものが多い。
例えば清水なんかは、辛く痛い過去があることは読み進んでいて読者も分かるけれど
それに関して清水がどんな考えを持って生きてきているのかさっぱり分からないし
ボケているだけなのか、あえてああいう仕草をしているのか、どちらともとれる気がする。
しかし、あと一巻ってことは、関くんも、清水も、心情は客観的にしか分からないままなのだろうな。
そういう意味で、ラストも、なぜそんな結果になったのか?ってのが多様に解釈できるラストになる気もしている。
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