今日もご無事で。

今日も無事なら明日も無事でいて。そんなくだらない話。

「卒業」

「卒業だってさ」
「貧血を起こして倒れる」
「それは卒倒だよ、たしかに卒業式とかで校長先生の長い話に倒れちゃう人いるけどね」
「執刀は私に任せてください」
「やりすぎだよ、貧血で手術なんてオオゴトだよ」
「そんな気は、毛頭ない」
「だったら言うなよ、卒業だね、って」
「そして、失業へ」
「やめろやめろ」
「そして、ベンチャーの創業を企む」
「失敗の予感しかしない」
「二足のわらじを目指して、会社の経営と塾の講師を兼業」
「とんでもなく才能があるか、ただの馬鹿だな」
今でしょ!
「なんのフリもなくそれ言ったら意味ないって分からない?」
「そして、失業へ」
「こうなることは見えていた」
「同情するならいつか?今でしょ!
「同情はしない。だって自業自得だから」
「上場の夢は断たれた彼のもとへ一通の手紙が!」
「上場まで企んでたのかよ、だったら兼業すんな。ひとつに集中しろ」
「農業をやりませんか?」
「出直して来い」
「根性のない彼はすぐに断った」
「思いきりは良いけど、根性はないやつだったか」
「汚名返上の為、彼は……」
「彼は?」
専業主夫を目指すことに」
「相手いないだろ」
「想像する」
「同情するわ」
「妄想をブログに書き連ねはじめた」
「嫌な予感」
「炎上」
「たぶん、ろくな妄想じゃなかったんだろうね」
「そして、伝説へ」
「もはや、韻を踏んでないよ」
「彼の逸話は、伝承され続けた」
「たいした話じゃないけどね」
吟醸酒を飲む、飲む、飲む」
「危ない危ない」
「卒業」
「えっ」