今日もご無事で。

今日も無事なら明日も無事でいて。そんなくだらない話。

アイドルを着せる。[1/2]

[真性引き篭もり]
http://sinseihikikomori.blogspot.com/2011/11/google.html

を読んだ。
なにを言っているかさっぱり分からなかった。

とはいえ、なにも分かっていないからこそ、なにかこの記事について語るつもりはない。
けれど、三行でまとめた、ってやつはまあ、無理矢理に要約するとこんな感じかな、と納得できた。

要約する文章ではない!この書きなぐられた叫びがこの記事の真髄なのだ!という批判も多々見受けられるけれど。

[真性引き篭もりGoogle+女子大生記事を三行要約した]
http://anond.hatelabo.jp/20111123005555

まあ、まず何が言いたいの?ってのが要約(とはいえ無理矢理)されたものを読んでから、読みなおしても面白いと思う。

随分と前置きが長くなっている気がするけれど、もうひとつ。

今日、ファイナンシャルジャパン(正しくは、フィナンシャルジャパンらしい)という雑誌でけいおん!特集が組まれているのを見た。
表紙にギターを抱える女の子がいる。
そして、「なぜ、けいおん!はヒットしたのか?」についての分析がされていた。

そこには駅の広告一面をジャックし、まるで恰も実在するアイドルのグループ、いやバンドかのようにユニークな衣装をまとい、楽器を持ち、生きているかのようにこちらに視線を向けるポスター、広告が貼られている写真があった。
僕はそれを見た時に素直に「すごい」と感じた。
だって、本当に、そこいるアニメーションであるはずの彼女たちが、実在するかのように、生きているかのように感じたから。

ちなみに、いま調べるとそれはまさに今回の「けいおん!映画」の広告だったらしい。

[けいおん!]
http://www.tbs.co.jp/anime/k-on/

そして、僕は今、テレビの前にさっきまで座りクレヨンしんちゃんのOPを見ていた。
OPを歌うのは、AKB48だ。正確には、「渡り廊下走り隊」である。

そうだ、世の中には「アイドル」で溢れている。

しかし、アイドルは熱狂的なファンを産む一方で、商業主義な一面もある一方を揶揄され、批判され、嫌厭されたりもする。

多分、人は騙されたくない。
好きな人には騙されたくないし、今日会った人にだって出来れば騙されたくない。
「君が好き」と言われた言葉を今日も信じたい。

アイドルは裏切るだろうか。

アイドルは決して虚偽に満ちているわけではない。
もし満ちているとすれば、僕らが虚偽を着せているのだと思う。

商業的なブームに僕らが素直に乗っかれないのは、それが「騙されている」気がしてしょうがないからだ。
「握手券に1000円?騙されてるんじゃないの?割りに合わないよ」
騙されているかどうか、割に合うかどうかは、“僕らが着せる”のだ。

僕らが僕らを騙す。
それが怖い。

アイドルは語らない。友人の誰かみたいに「それは違うよ!」と訂正したりしない。
「本当の私はこんなんなんです!」と言ったって僕らには分からない。
だから、僕らは「きっとこうだろう」と選んだ服を着せていく。

アイドル、アイドルと述べているけれど、きっとアニメも同じだし、Google+のサカグチアヤだってそうだ。

僕らが、着せている。

アイドルは競馬のレースの馬のように、ベットされた賭け賞金と商品のように、見世物にされているかのような保護された動物のように
大人と熱狂的ファンの駆け引きに見守られ、見下され、見降ろされ
ただただ、そこに飾られているだけなのだ。

だから、僕はまるで生きているかのような、意志を持ってそこにあるかのような「けいおん!」のポスターに驚いた。
彼女たちは、見世物とされてステージに表れたのではなく、
まるで、どん底から這い上がってきて、夢と希望を背負って、音楽がやりたくて、そのステージに伸し上がってきたかのように。

AKB48も、その「飾られたアイドル」から脱却しようとしているのだろうけれど。
奈、大人の力が強すぎるのだろう。

僕らは未だにアイドルに服を着せる。
僕らがアイドルを踊らせる。
アイドルはなにもない、なにもできない、なにものでもない。

それはアイドルたちが「私たちはただの人形じゃありません!」と言うのとは違う。
それはアイドルではなく、彼女や彼のことである。脱いだ彼女や彼である。
服を来た彼女や彼は、なにもないアイドルなのだ。

多分、アイドルという産業は、アイドルという欲望は、アイドルというカジノは、その渦中にいるアイドルは、その服を脱がずしてそこから抜け出ることは不可能だと思う。

アイドルは僕らが着せている。
他の誰でもない、僕らが僕らを騙し、僕らが僕らを快感にさせている。