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東芝LED電球「LED10年カレンダー」CM

東芝LEDのCM

このCMの素晴らしい所は、観る人間の想像力に多くを委ねているところだ。
LEDの寿命と誰かの10年。
それらふたつを重ね合わせて、淡く暖かな光と、そこに映る影に想像を任せられる。
動画のなだらかすぎない流れと、音楽も素晴らしい。
シンプルではない。綿密な構成と空間に広げられた舞台。

尤も、このCMの最大の魅力はきっとそのノスタルジーにあって。
年齢を重ねれば重ねるほど「あの頃」が色濃く蘇るのだろう。
無邪気さと儚さ、そしてこれから待つ葛藤や苦悩。

光、というのはそれだけで儚い。
遠く輝く星は何光年も前の光だし。
光の反射を通して未来をのぞくこともできる。

10年後、このLEDがどんな未来を照らしているか。
そんなことを考えながら電球に手をかける人がいるだろうか。
光がテーマになっているのもこのCMの素晴らしい部分だと思う。

人はどうして知らない誰かの一生なんかに思いを馳せるのだろう。
検討違いなことかもしれないけれど、このCMを見て感じる心の動きというのは東日本大震災で感じた国民の心の動きと同じなんじゃないかと思った。

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